こんにちは、SmileBox編集部です。老舗委のお店の紹介や広告で見かける『皇室御用達』や『宮内庁御用達』という文字。宮内庁に物品を納入している作り手様のことだろうと想像できますが、皇室御用達や宮内庁御用達とはどのような制度なのかまとめました。
結論からいうと「宮内庁御用達」(くないちょう・ごようたし)という公式な制度は1954年(昭和29年)に廃止されているそうです。また、日本では「皇室御用達」という正式な制度はないので、こちらは通称となります。現在も宮内庁に商品をお納めする作り手様は200社以上あるといわれていますが、あえて「宮内庁御用達」と掲げられていない作り手様も多くいらっしゃいます。
■「○○御用達」とは?よみかたは?
「御用達」とは、宮中や官庁に商品を納める業者さんのこと。
江戸時代には、幕府・大名・旗本・公家・寺社などに立入あるいは出入する特権的な御用商人の格式のひとつでした。
読み方は「ごようたし」が一般的ですが、「ごようたつ」「ごようだち」のどれでも間違いではありません。
「御用達」を歴史的に古い順番にまとめました。ごくごく一部となりますが、ご参考まで、作り手様のお名前も挙げさせていただきます。
■「禁裏御用」(きんり・ごよう)とは?
京都では「禁裏御用」「御所御用」を賜ったという商家・職家さんがいらっしゃいます。
江戸時代以前に、京都で帝(=天皇)がいらっしゃる宮中(御所・禁裏)に品物を納めることができる商家・職家さんは「禁裏御用」「御所御用」と称されていました。質の高い商品を二代、三代と世代を続けて納入できるような社会的評価のある商家・職家さんではないと、京都で宮中の御用「禁裏御用」「御所御用」を賜ることはできず、大変名誉なことだったそうです。
- 御菓子司(かし):虎屋さん、塩瀬総本家さん、鶴屋吉信さん、松屋常盤さん 等
- 御粽司(ちまき):川端道喜さん
- 御昆布: 松前屋さん
- 蒔絵司(まきえ):象彦さん …等など
■「幕府御用達」「○○藩御用達」
「江戸幕府御用達」の他、日本全国の諸藩の「御用達」をつとめていらっしゃった作り手様が数多くあります。
- 呉服・両替:三井越後屋さん(現在の三越さん)
- お菓子:加賀藩御用達 森八さん
- お菓子:尾張藩御用達 両口屋是清さん …等など
■「宮内省御用達」(くないしょう・ごようたし)から「宮内庁」(くないちょう)へ
明治維新後、皇居が東京に移り、宮中でも洋式を取り入れるようになり、洋服・洋傘・洋食器・洋菓子等、西洋の品物を扱う商人が宮中の御用を申し付けられる機会が増え、御用達の業者の数が急増しました。すると、御用達であると偽る業者が現れるようになったので、宮内省(宮内庁の前身)は1891年(明治24年)に「宮内省御用達制度」を正式に発足させました。一定の基準を設け、それに適合する業者に「宮内省御用達」と称することを許すことにしました。
終戦後に宮内省が宮内庁に変わったため、名称が「宮内庁御用達」となりました。その後、1954年(昭和29年)に御用達制度が廃止されて現在に至ります。
- 御海苔:山本海苔店さん
- 果物:銀座千疋屋さん
- カステラ:文明堂さん
- お煎餅:たぬき煎餅さん
- 洋菓子:コロンバンさん
- 磁器:大倉陶園さん、香蘭社さん、深川製磁さん
- 漆器:山田平安堂さん
- 銀製品:宮本商行さん
- 硝子製品:カガミクリスタルさん
- ネクタイ:銀座田屋さん
- 靴:大塚製靴さん
- 傘:前原光榮商店さん
- バッグ:濱野家さん …等など
■まとめ
日本の皇室は伝統として質素倹約をよしとされ、良いお品を長く愛用されておりますので、「皇室御用達」「宮内庁御用達」といわれる作り手様のお品は、本当に良いお品を訂正な価格で扱っていらっしゃるということがいえそうです。
拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。
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